「火災保険、どうしますか?」
家づくりの終盤、引き渡しが近づくと必ず決めることになるのが火災保険です。工務店から提携先の保険会社を紹介されて、「これでいいのかな」「自分で探したほうが安いのかな」と迷っている方も多いと思います。
先に結論を書きます。工務店経由で契約すること自体は、悪い選択ではありません。ただ、我が家のように一度も他社を見ないまま契約してしまうのは、正直もったいなかったと思っています。
大事なのは、紹介される前に相場を知っておくこと。この記事では、そのための段取りを3つのステップでお伝えします。あわせて、我が家が実際に払った保険料も公開します。
結論|工務店経由でもOK!ただし「紹介される前」に相場を知っておく
工務店の紹介そのものは、悪くありません。メリットは大きく2つあります。
- とにかく楽。工務店が保険会社との対面までセッティングしてくれる
- 建物のことを把握してくれているので、話が早い
とくに2つ目には、今回助けられました。
打ち合わせの中で耐震等級割引があることを知り、その場で工務店に「うちは取得できますか」と確認できたのです。まだ取得前でしたが、割引ありで手続きを進めることができました。
地震保険の耐震等級割引は、等級3で50%、等級2で30%、等級1で10%。等級3なら地震保険が半額になります。これを保険会社との場で即確認できたのは、建物を建てた工務店が同席していたからでした。
ただし、ひとつだけ足りないものがあります。相場です。
複数の会社から見積もりを取っていないと、提示された金額が高いのか安いのか、補償が手厚いのか薄いのかが判断できません。我が家がまさにそうで、5年経った今も、あの金額が妥当だったのかわからないままです。
そこで提案したいのが、紹介を受ける前に、自宅で複数社の見積もりを取っておくという段取りです。条件を一度入力するだけで、複数社の保険料をまとめて比べられます。
段取り①|金額より先に、必要な補償の中身を決めておく
見積もりを比べるときに困るのが、そもそも何を付けるべきか決まっていない状態です。補償の範囲が違えば金額も変わるので、条件を揃えないと比較になりません。
参考までに、我が家が付けている補償はこの7つです。
- 火災
- 風災・ひょう災・雪災
- 水濡れ
- 盗難
- 水災
- 破損・汚損
- 地震保険(地震・噴火・津波を含む)
水災|「川が近いか」ではなく、ハザードマップで決める
水災補償は付けました。決め手は、ハザードマップを見たときに、我が家の土地に色が塗られていたことです。
すぐ近くに川があるわけではありません。感覚では「うちは大丈夫だろう」と思っていた場所でした。それでも地図の上では、しっかり浸水想定の区域に入っていたのです。
水災は外すと保険料をかなり抑えられる部分です。まずは自治体が公開しているハザードマップで、自分の土地がどの区分にあるかを確認してから決めるのがおすすめです。
ちなみに、道路から玄関までの高さについては打ち合わせで聞いておけばよかったと後悔していることの1つです。ゲリラ豪雨で排水が追いつかないと、道路は冠水します。その話はこちらに書きました👇

地震保険|「入れば全額戻る」ではないことを知っておく
地震保険は、正直なところ迷いがありました。それでも付けています。
まず知っておきたいのは、地震保険は単独では加入できないこと。火災保険とセットでの契約になります。
そして補償額は、火災保険の契約金額の30〜50%の範囲でしか設定できません。つまり、地震で家が全壊しても、同じ家がもう一度建つわけではないのです。
さらに、支払いは損害の程度によって4段階に分かれています。
| 損害区分 | 支払われる割合 |
|---|---|
| 全損 | 契約金額の100% |
| 大半損 | 60% |
| 小半損 | 30% |
| 一部損 | 5% |
建物の場合、主要構造部の損害割合が50%以上で「全損」、3%未満だと支払いの対象になりません。「地震保険に入っているから安心」と思っていると、実際の受け取り額とのギャップに驚くかもしれません。
こうした仕組みになっているのは、地震保険が「地震保険に関する法律」に基づいて、政府と損害保険会社が共同で運営している制度だからです。大きな地震が起きれば一度に大量の支払いが発生するため、1社の判断ではまかないきれない。だから国が関わり、補償の範囲もあらかじめ決められています。
それでも我が家が付けたのは、やはり魂を込めてつくっている住宅がいよいよ完成するタイミングで、理屈で計算しきれない不安があったからです。
ここは正解のない部分だと思います。生活の再建費用として割り切る考え方もあれば、その分を貯蓄に回す考え方もあるでしょう。我が家は納得して払っています。
段取り②|引き渡しの1か月前までに、相場をつかんでおく
相場を知った状態で紹介を受けると、金額の確認も、補償内容の質問も、ぐっとしやすくなります。比べる作業を「紹介の前」に済ませておくのが、いちばん効率のいい進め方だと思います。
火災保険を決めるのは、家づくりのいちばん最後のほうです。
そこに至るまでに、間取り、窓、コンセントの位置、クロス、床材、照明……と、数え切れないほどの選択をしてきています。決断の体力が、もう残っていない時期なのです。
当時の私が比較しなかった理由も、まさにそこでした。保険会社を1社ずつ調べて、それぞれに問い合わせて、条件を揃えて見比べる。想像しただけで、疲れきった頭には重すぎたのです。
だからこそ、動くのは早いほうがいい。
引き渡し日には補償が始まっている必要があります。逆算すると、引き渡しの1か月前くらいから相場を調べ始めると、慌てずに済みます。この時期は打ち合わせも引っ越し準備も重なるので、少しでも前倒ししておくと本当に楽です。
段取り③|見積もりを持って、工務店の提案と見比べる
ここから先は、私自身にはできなかったことです。
自分で取った複数社の見積もりと、工務店が紹介してくれた提案。同じ補償条件で並べて、金額と中身を見比べます。
相場を知っている状態で話を聞けたら、こんなふうに進められたはずです。
- 「他社ではこのくらいでした」と、具体的な数字を持って話せる
- 補償が足りない・多すぎる部分に気づける
- 納得できなければ、自分で契約するという選択肢も残る
工務店の提案がいちばん良ければ、そのままお願いすればいいのです。比較できる対象があれば、安心して選択できます。
我が家の火災保険、実際の金額を公開します
| 保険期間 | 保険料 | |
|---|---|---|
| 火災保険 | 10年 | 175,650円 |
| 地震保険 | 5年 | 47,040円 |
火災保険が10年で約17万5千円。年あたりにするとおよそ1万7千円ほどです。
⚠️ この金額をそのまま参考にしないでください
保険料は建物の構造・地域・保険金額・補償内容で大きく変わります。さらに我が家が契約したのは2020年で、当時はまだ10年契約が選べました。2022年10月から火災保険は最長5年に短縮されているため、同じ条件の契約は今はもうできません。同じ月に参考純率も10.9%引き上げられています。つまり今から契約する方は、当時の我が家より条件が厳しくなっています。
正直に言うと、この金額が高かったのか安かったのか、私にはいまだにわかりません。比べる相手が、いなかったからです。
もう契約してしまった方へ|途中解約で未経過分は戻ります
実は我が家も、いま火災保険の見直しを検討中です。
建てて5年。固定費を見直していく中で、保険もそのままでいいのかと考えるようになりました。10年契約なのでまだ満期ではありませんが、途中で解約しても、まだ来ていない期間分の保険料は戻ってくるのだそう。
これを解約返戻金といいます。
⚠️ 乗り換えるときの注意
絶対に守りたいのが、新しい保険と古い保険のあいだに空白期間を作らないことです。解約が先行すると、その間に何かあっても補償されません。新しい契約の開始日を確定させてから、古い契約を解約する順番を守ってください。
よくある質問
Q. 工務店やハウスメーカーが勧める保険はダメなのですか?
A. ダメということはありません。手続きが一度で済むのは大きなメリットですし、建物の情報を把握してくれているので話が早いという利点もあります。ただ決してそこが唯一の選択肢ではなありません。
Q. 火災保険はいつまでに決めればいいですか?
A. 引き渡し日には補償が始まっている必要があります。逆算すると、引き渡しの1か月前くらいから動き出すと余裕を持って比較できます。この時期は打ち合わせも引っ越し準備も重なるので、早めがおすすめです。
Q. 水災補償は付けるべきですか?
A. お住まいの地域によります。我が家はハザードマップで土地に色が塗られていたため付けました。近くに川があるかどうかの感覚と、地図の判定は食い違うことがあります。保険料に影響の大きい部分なので、なんとなくで決めないほうがいい項目です。
Q. 耐震等級の認定を取る前でも、割引は受けられますか?
A. 我が家は取得前に相談し、割引を前提に手続きを進められました。取得予定であることを工務店から説明してもらえたのが大きかったです。詳しい条件は保険会社によって異なるので、打ち合わせの場で直接確認してみてください。
Q. もう契約してしまいました。今からでも変えられますか?
A. 変えられます。途中解約しても未経過分の保険料は戻ってきます。ただし新旧の契約に空白期間を作らないことだけは必ず守ってください。
まとめ|段取りは3つだけ
- ① 金額より先に、補償の中身を決めておく(水災はハザードマップ、地震保険は30〜50%と4段階の支払割合を理解して)
- ② 引き渡しの1か月前までに、自宅で相場をつかんでおく
- ③ 見積もりを持って、工務店の提案と見比べる
工務店経由で契約すること自体は、悪くありません。手続きが楽で、話が早く、耐震等級割引のような話もその場で確認できました。
足りなかったのは、他の保険会社との比較だけでした。
家づくりでは、間取りやクロスや設備には何時間もかけて悩みます。それなのに、10年で17万円を超えるお金が動く保険には、私はほとんど時間をかけませんでした。
比較するのは、値切るためではありません。納得して払うためです。あのとき数分だけでも比べていたら、この5年間の小さな引っかかりは残らなかったはずだと、今は思っています。
家全体の後悔・やってよかったことは、こちらにまとめています👇

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