家づくりで決めることは山ほどありますが、床材はその中でもつい後回しにしてしまいがちなところだと思います。壁紙のように「ここを何色にする?」と盛り上がる場所でもないですし、標準仕様のままでいいかな、と流してしまう人も多いのではないでしょうか。
でも5年住んでみて、はっきり言えることがあります。床は、家の中でいちばん長く付き合う面です。毎日目に入って、毎日足で触れて、毎日掃除をする。ここの選択を間違えると、5年間ずっと小さなストレスを抱えることになります。
我が家の答えを先に書きます。家じゅうに貼った「ラシッサD フロア チェスナット」は大正解。玄関のグレーのタイルも正解。でも、洗面室と1階トイレのクッションフロアは後悔しています。
そしてもう一つ。同じクッションフロアでも、2階トイレのグレーだけは正解でした。同じ素材で色だけが違う。この結果の差が、5年住んでいちばん学びになった部分です。
同じ家の中で、正解と後悔がきれいに分かれました。その理由を、品番も全部公開しながらお話しします。
結論|床材は「グレード」より「場所ごとの選び分け」
床材の話になると、どうしても「標準にするか、ワンランク上げるか」という予算の話になりがちです。もちろんそれも大事なのですが、5年住んで思うのは、それ以上に場所ごとに求められる性能がまったく違うということでした。
リビングに必要なのは「毎日見ても飽きないこと」。玄関に必要なのは「砂や土の汚れが目立たないこと」。トイレや洗面室に必要なのは「髪の毛や水はねをサッと拭き取れること」。
我が家が後悔した場所は、この「その部屋で何が起きるか」を想像しきれていなかった場所でした。逆に正解だった場所は、たまたまでも想像が当たっていた場所です。
我が家の床材、全部公開します【品番あり】
まずは一覧から。5年住んだ今の評価も一緒に載せます。
| 場所 | 床材・品番 | 色 | 5年後の評価 |
|---|---|---|---|
| 1階(LDK・居室) | ラシッサD フロア チェスナット | 明るいグレージュ | ◎ 大正解 |
| 2階(居室・ホール) | 1階と同じ(統一) | 明るいグレージュ | ◎ 大正解 |
| 玄関 | LIXIL 磁器質タイル 300角 マルモアート MA-12 | グレー | ◎ 正解 |
| 洗面室 | クッションフロア t1.8 リリカラ LH-81065 | 白(大理石調) | △ 後悔 |
| 1階トイレ | クッションフロア サンゲツ HM-5089 | 白 | △ 後悔 |
| 2階トイレ | クッションフロア サンゲツ HM-5090 | グレー | ◎ 正解 |
| 浴室 | TOTO ほっカラリ床 | ホワイト | △ 後悔 |
こうして並べてみると、後悔しているのは全部「水まわり」でした。しかも後悔した3か所はすべて白系、正解だった場所はグレー。ここまできれいに分かれるとは、自分でも思っていませんでした。
なお品番は我が家が建てた当時のものです。廃番になっている可能性があるので、気になるものがあれば最新のカタログで確認してみてください。
家じゅうの床「ラシッサD フロア チェスナット」が大正解だった
我が家が1階も2階も貼っているのは、LIXILのラシッサD フロア チェスナットという床材です。
チェスナット=栗の木という名前なので、茶色っぽい床を想像される方が多いかもしれません。でも実物は明るいグレージュ。白に寄りすぎない、やわらかなグレーがかった木目です。名前のイメージと実物の色が違う床材なので、これから見に行く方はぜひ実物を確認してみてください。

これが、5年経った今もまったく飽きていません。
標準仕様ではなかったけれど、入れてよかった
実はこの床材、我が家の工務店の標準仕様ではありませんでした。つまり追加費用を払って選んだ床です。
家づくり中は、正直この判断に迷いました。床は面積が広いぶん、グレードを上げると金額もそれなりに動きます。「ここにお金をかけるより、他に回したほうがいいのでは」と何度も考えました。
でも今なら断言できます。床材は、お金をかける価値のある場所です。
理由はシンプルで、面積が広いから。壁紙のアクセントクロスは1面だけでも部屋の印象を変えられますが、床は部屋全体を支配します。しかもあとから気軽に張り替えられない。家具は買い替えられても、床はそうはいきません。
2階も同じ床材にした理由
我が家は2階も1階と同じ床材で統一しました。
打ち合わせのとき、営業さんからこんな話を聞きました。「2階は標準仕様にしてコストを抑える方も多いですよ」と。実際、2階は来客が上がることも少ないですし、寝るための空間だと割り切れば、たしかに合理的な選択だと思います。
それでも我が家が統一を選んだのは、階段を上がったときに床の色が変わるのが気になりそうだったからです。
結果としては、これも正解でした。家全体に統一感が出て、どの部屋にいても「同じ家の中にいる」という感覚があります。ここは好みの問題なので、コストを優先する判断も十分アリだと思います。
カタログの機能、5年後に本当に実感できたのは3つ
この床材には、カタログ上こんな機能がついています。
- フットフィール仕上げ
- 色むら、色違いが少ない
- キズに強い
- 変色、退色しにくい
- 耐干割れ
- お手入れかんたん
- ノンワックス
- 抗菌SIAA
正直に書きますが、この8つすべてを「実感しました!」とは言えません。耐干割れや抗菌のように、比べる相手がいないと体感しようがない機能もあるからです。
そのうえで、5年暮らしてはっきり良かったと言えるのは次の3つでした。
①色が変わらない。日当たりのいいリビングでも、5年経って「ここだけ色が抜けたな」という場所がありません。家具の位置を変えても跡が出ないのは、地味ですがありがたいことです。
②お手入れがラク。普段の掃除は掃除機とフロアワイパーだけ。特別なことは何もしていません。ノンワックス仕様なので、5年間で一度もワックスがけをしていません。
そしてもう一つ、地味に助かっているのがアルコールで拭いても問題ないことです。床材によってはアルコールで変色したり、表面が白っぽくなったりすることがあります。我が家は気にせず拭いていますが、5年経っても変化はありません。除菌が当たり前になった今、これは思っていた以上にありがたい性能でした。
③そして何より、飽きない。これが一番大きいです。5年間、毎日目に入り続けて一度も「変えたいな」と思ったことがありません。カタログのどの機能よりも、この「飽きない」がいちばんの価値だったと思っています。
玄関タイルはグレーが正解だった
玄関には、LIXILの磁器質タイル 300角「マルモアート MA-12」のグレーを選びました。
これも正解だった場所です。理由は、汚れが目立たないから。
玄関には、外の砂や土が容赦なく入ってきます。子どもが公園から帰ってくれば砂が落ちますし、雨の日は泥はねもつきます。ここを白っぽい色にしていたら、毎日「汚れているな」と気になっていたはずです。
グレーは、おしゃれに見えるうえに汚れに強い。見た目と実用が両立している、いい選択でした。

玄関まわりのこだわりは、こちらの記事にもまとめています👇

クッションフロアは「素材」ではなく「色」で決まりました
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい話です。
我が家は洗面室とトイレ2か所、あわせて3か所に工務店の標準で選べたクッションフロアを採用しました。品番は洗面室がリリカラ LH-81065(厚さ1.8mm)、1階トイレがサンゲツ HM-5089、2階トイレがサンゲツ HM-5090です。
そして5年後の結果がこれです。白を選んだ洗面室と1階トイレは後悔。グレーを選んだ2階トイレだけは満足しています。
同じ素材、同じ厚み、同じ工務店の標準仕様。違うのは色だけ。それなのに、日々の満足度がまるで違うのです。
前提:表面の凹凸に、細かいゴミは入り込む
まず、色に関係なくクッションフロアが抱えている弱点から。
クッションフロアの表面には、木目やタイル調を再現するための細かい型押しの凹凸があります。この凹凸に、小さなゴミが入り込んで取れなくなるのです。掃除機をかけても吸いきれず、拭いても浮いてこない。黒ずみのような汚れも、軽く拭いただけでは落ちません。
「水に強い」のは本当なのですが、水に強いことと、掃除がラクなことはまったく別でした。ショールームで見るクッションフロアは新品でピカピカなので、この点は住んでみるまで想像できませんでした。
後悔:白い床は、髪の毛も黒いゴミも全部見える
洗面室と1階トイレは、床を白っぽい色にしました。清潔感があって明るく見えると思ったからです。
ところが洗面室は、毎日家族3人が髪を乾かし、身支度をする場所。白い床に落ちた髪の毛は、驚くほど目立ちます。朝きれいにしても、夜にはもう気になる。さらに凹凸に入り込んだ細かい黒いゴミまで、白い床だとはっきり見えてしまうのです。

つまり白は、クッションフロアの弱点をそのまま拡大して見せてしまう色でした。
正解:2階トイレのグレーだけは、5年経っても満足
一方、2階トイレに選んだのはグレーのクッションフロア(サンゲツ HM-5090)でした。
こちらは今も満足しています。凹凸に汚れが入り込む性質は白とまったく同じはずなのに、黒いゴミも髪の毛も、目に飛び込んでこないのです。

床の汚れというのは、実際には「汚れの量」ではなく「見えるかどうか」で体感が決まるのだと思います。同じだけ汚れていても、見えなければ気にならない。毎日暮らす場所では、これがとても大きな差になります。
だから、これから選ぶ方にお伝えしたい結論はひとつです。クッションフロアを選ぶなら、色はグレー。素材そのものを避ける必要はありません。我が家も、3か所すべてグレーにしていれば、後悔はゼロだったはずですから。
悔しいのは、玄関のタイルで「グレーは汚れが目立たない」と実感していたのに、水まわりで同じ発想ができていなかったことです。しかも2階トイレでは正解を出せていたのに、それを1階に活かせていませんでした。
トイレと洗面室それぞれの後悔は、別の記事でも詳しく書いています👇


お風呂の床も、掃除のしやすさで後悔
水まわりの後悔はもう一つあります。お風呂の床です。
我が家はTOTOサザナの「ほっカラリ床」を選びました。柔らかくて乾きが早いのは本当なのですが、表面の凹凸の目が細かすぎて、カビが入り込みやすいのです。
クッションフロアとまったく同じ構図です。凹凸があるほど汚れは入り込む。そしてほっカラリ床も色はホワイト。凹凸と白の組み合わせは、水まわりでいちばん掃除が大変になるパターンなのだと、5年かけて学びました。

5年住んでわかった、床材選び5つのルール
ここまでの正解と後悔を、これから選ぶ方向けに整理します。
①床材にはお金をかける価値がある
面積が広く、毎日目に入り、あとから替えにくい。この3つが揃っている部材は、家の中でも床くらいです。ここでの数十万円は、5年分の満足度に変わります。
②水まわりは「凹凸の少なさ」で選ぶ
耐水性ばかりに目が行きがちですが、5年後に効いてくるのは掃除のしやすさでした。表面がフラットに近いほど、汚れは拭き取れます。
③白は清潔感、グレーは実用
白い床は写真映えしますが、髪の毛もホコリも黒いゴミも全部見えます。人が身支度をする場所と、外の汚れが入る場所は、グレーが正解でした。我が家は同じクッションフロアを白とグレーで使い分けた結果、グレーだけが5年後も満足しています。素材を悩む前に、まず色を決めるくらいでちょうどいいと思います。
④「飽きないか」を最優先に考える
機能表は大事ですが、5年後にいちばん効いてくるのは「まだ好きでいられるか」です。冒険しすぎない中間色は、長く付き合ううえで強いと感じています。
⑤サンプルは小さすぎる。できれば大きく見る
床材のサンプルは手のひらサイズのことが多いのですが、実際に貼られる面積はその何百倍です。小さく見ると濃く見え、広く貼ると明るく見えます。可能なら、ショールームで実際に貼られた状態を見せてもらうのがおすすめです。
ルンバを活かすなら「床に物を置かない」前提で考える
もうひとつ、床材と一緒に考えておきたいのがロボット掃除機のことです。
我が家は毎日1階のフローリングを掃除していますが、その主役はルンバです。ただしルンバは、床に物が置いてあるとその周りを避けてしまいます。せっかく掃除がラクな床材を選んでも、床に物が散らばっていたら意味がありません。
だから我が家は、床にはできるだけ物を置かないと決めています。これは間取りの段階から考えておくべきことで、収納が足りていれば自然と床は空くのです。
ちなみに掃除の頻度は、1階のフローリングは毎日、それ以外は週1回。毎日やる場所を1か所に絞れているのは、床材選びと収納計画がうまくいった結果だと思っています。

よくある質問
Q. 床材は標準仕様のままでも大丈夫ですか?
A. 標準仕様が悪いわけではありません。ただ、床は面積が広く、あとから張り替えるのが難しい部材です。予算をどこかに寄せるなら、我が家は床をおすすめします。実際に追加費用を払って選びましたが、5年経っても後悔していません。
Q. 2階の床材は1階と変えてもいいですか?
A. 十分アリだと思います。営業さんからも「2階は標準にしてコストを抑える方が多い」と聞きました。我が家は階段を上がったときの色の変化が気になりそうで統一しましたが、これは完全に好みの問題です。優先順位で決めて大丈夫です。
Q. トイレや洗面室の床は何がおすすめですか?
A. 我が家の経験から言えばグレー一択です。同じクッションフロアを白とグレーで使いましたが、5年後に満足しているのはグレーだけでした。素材を変えなくても、色を変えるだけで日々のストレスはかなり減ります。あわせて表面の凹凸が浅いタイプを選べればなお安心です。
Q. フローリングはアルコールで拭いても大丈夫ですか?
A. 床材によります。我が家のラシッサD フロア チェスナットは、5年間アルコールで拭いていますが変色などのトラブルはありません。ただしこれはあくまで我が家の床材での話なので、採用する床材のメーカーに確認しておくと安心です。
Q. 床材のサンプルはどう見ればいいですか?
A. 小さなサンプルは実際より濃く見えます。広い面積に貼ると、想像より明るく感じることがほとんどです。可能であればショールームで実際の施工例を見て、時間帯を変えて確認するのが確実です。
まとめ|床は「毎日触れる面」だからこそ
5年住んでわかったことを、もう一度まとめます。
- LDKのラシッサD チェスナットは大正解。5年経っても飽きない
- 2階も同じ床材で統一。家全体に統一感が出た
- 玄関のグレーのタイルは汚れが目立たず正解
- クッションフロアは白が後悔、グレーが正解。同じ素材でも色で結果が変わった
- 水まわりの床は「耐水性」より「凹凸の少なさ」と「色」で選ぶべきだった
床は、家の中でいちばん静かな存在です。壁紙のように「素敵だね」と話題になることも、キッチンのように「使いやすい」と実感することも少ない。それでも、毎日いちばん長く触れているのは床なのです。
だからこそ、打ち合わせのときに5分だけでいいので、こう考えてみてほしいのです。「この部屋では、どんな汚れが落ちるだろう?」「その汚れは、この色で見えないだろうか?」と。
我が家の後悔は、たった1色変えるだけで防げたものでした。5年住んだ今だからこそ、そう断言できます。
家全体の後悔・やってよかったことは、こちらの記事にすべてまとめています👇

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