注文住宅の打ち合わせは、正直とても楽しみでした。行くたびに家が少しずつ形になっていくのが嬉しくて、10回の打ち合わせもあっという間だった記憶があります。
ただ、5年住んだいま振り返ると、「あのとき、あれを聞いておけばよかった」と思うことがあります。
それは何か?
結論、打ち合わせで最優先に聞くべきなのは「あとから変えられないこと」です。
クロスや照明、家具はあとからでも変えられます。でも構造・間取りは、一度決めたら二度と戻れません。
この記事では、我が家が実際に聞いておけばよかったと後悔していることを、正直にお伝えします。
加えて、聞いておいてよかったこと、そして工務店の営業さんが教えてくれた「知らないと損する話」もお伝えしますので、是非家づくりのご参考になさってください。
「聞いておけばよかった」と後悔していること
建物を建てる高さを変更できるか、聞かなかったこと
我が家は、道路から玄関まで階段が3段あります。建てるときは、特に気にしていませんでした。
ところが何年か前、家の前の道路が冠水したことがあったんです。水は3段のうち1段目まで上がってきました。
結果として家は無事でしたし、浸水もしていません。でも、水がどんどん増えていくのを見ているときは本当に怖かったです。もしあと少し水位が上がっていたら、と考えてしまいました。
あのとき「もう少し高い位置に建てられますか」と一言聞いていたら、いまはもっと安心して暮らせていたかもしれません。そしてこれは、あとからでは絶対に変えられないことです。
ゲリラ豪雨で排水が追いつかなければ道路は冠水します。土地が決まったら「この土地で、建物の高さはどのくらいまで上げられますか」——これは聞いておいて損のない質問だと思います。
窓は、もう少し確認すればよかった
打ち合わせ全体を通して、決断がいちばんしんどかったのは最初の間取りと、窓の位置でした。あとから変えられないと分かっていたので、かなり慎重に考えたつもりです。
それでも5年住んでみると、正解だった窓と、後悔している窓の両方があります。とくに大きさは、図面の数字だけだと実感が湧きにくいところでした。
5年住んでわかった窓の正解と後悔は、こちらにまとめています👇

逆に、「聞いておいてよかった」こと
①「構造計算をしてくれる会社か」を確かめられたこと
我が家がこの工務店に決めた最大の理由は、構造計算をしてくれることでした。
初めてその工務店を訪ねたとき、こんな話を聞きました。
窓の数や大きさなど、耐震等級3で必要な基準をクリアしていても、窓がどこに配置されているかによって建物の耐震性は変わります。構造計算では、耐力壁や柱、開口部などの配置を含め、建物全体のバランスまで確認します。
地震に強い家にしたいという希望だけは、はっきりしていましたので、この話はかなりささりました。
他の工務店がアピールしてくることは、設備の快適さのことが多く、構造計算をしてくれる会社はそれほど多くない(聞いた中では2社)印象です。
耐震性を重視したいなら、「構造計算はしていますか?」は最初に聞いておくといいと思います。
※我が家が建てたのは2020年なので、あくまで当時の話です。2025年4月に建築基準法が改正され、木造2階建ての住宅も構造関係の図書を提出して審査を受けることが必要になりました。ただし構造計算そのものが義務づけられるのは延べ面積が大きい建物で、一般的な広さの住宅は対象外です。つまり「構造計算をしてくれるかどうか」は、いまも会社によって違います。最新の制度は必ずご自身でも確認してください。
②「耐震等級3は取れますか?」と聞けたこと
耐震等級は火災保険(地震保険)の料金に影響します。
家づくりの後半、工務店の紹介で火災保険の営業さんと打ち合わせをすることとなり、事前に火災保険について調べていたところ「耐震等級割引がある」ということを知りました。
そこで打ち合わせの際に工務店の営業さんも同席していたので、「耐震等級3は取れますか?」と聞いたところ、その場で「もちろん取れますよ」と即答してくれて、そのまま取得の段取りまでしてくれました。
工務店側からすると、構造計算をしているのであえて耐震等級を取得するか?ということだと思うのですが(お金もかかることですし)、今後の保険料には影響されるんですよね。
建物が基準を満たしていればあとから申請できる場合もありますが、新築時に一緒に進めるのがいちばん確実でラクです。
営業さんに教わって助かったこと5つ
工務店を決めた時、営業さんとの相性も大きかったです。
我が家の担当だった工務店の営業さんは、こちらが聞く前に「こうしたほうがいいですよ」と教えてくれる人でした。
① 施主支給という選択肢がある
照明や設備などは、工務店を通して手配すると中間コストがかかること。だから施主が自分で買って持ち込むほうが安くなる場合があることも教えてもらいました。
ただし、何でも持ち込めるわけではありません。取り付けや保証の関係もあるので、「これは持ち込みできますか?」と都度確認するのが確実です。
② 下地は、大工さんにお願いできる場合がある
これは知らないと損する話でした。
壁に棚やテレビを付けたいとき、下地(壁の中の補強)が入っていないと取り付けられません。そして下地は、壁を作るときにしか入れられないのです。
営業さんは「大工さんにお願いすれば、そんなにお金をかけずに入れてもらえるかもしれませんよ」と教えてくれました。正式なオプションとして頼むと費用がかかるけれど、現場で相談すれば対応してもらえることもある、と。
下地が入っていない壁に棚を付ける方法は、こちらで解説しています👇

③ ドアの引き込みは「広いほう」が正解とは限らない
これは今でも「聞いてよかった」と思う提案です。
LDKの引き戸をどちら側に引き込むか、という話でした。一般的には広いほう(リビング側)に引き込むのだそうです。
でも我が家は、その壁の位置にテレビを置く予定でした。もし将来テレビを壁掛けにしたくなったら、その壁に下地が必要になります。ところがドアを引き込む壁の中には、ドアが収まるスペースが必要なので下地を入れられません。
そこで営業さんが「ホール側(廊下側)に引き込んでも大丈夫ですよ」と提案してくれたのです。
言われるまで、まったく気づきませんでした。ドアを引き込む向きが、将来のテレビの設置に関係するなんて、素人には想像もつきません。
④ スライドドアは「Wソフトモーション」に
LDKのスライドドアについて、「このままだと閉めたときに勢いよく閉まってしまうので、小さいお子さんがいるならWソフトモーション付きにしたほうがいいですよ」とアドバイスをもらいました。
ソフトモーションは、ドアが最後にゆっくり閉まる機構のことです。Wソフトモーションは、開けるときと閉めるときの両方で効きます。
当時、娘はまだ小さかったので、迷わず変更しました。指をはさむ事故を防げると考えれば、安い変更だったと思います。
⑤ 外構は、工務店を通さないほうが安い場合がある
「外構は、うちを通すよりも直接お願いしたほうが安くなりますよ」——これは驚きました。自分の会社の売上が減る話なのに、正直に教えてくれたんです。
そのうえで外構屋さんを紹介してくれて、打ち合わせにも間に入ってくれました。安さと安心の両方を取れる形にしてくれたのは、本当にありがたかったです。
実際にどんな外構になったかは、こちらで公開しています👇

——こうして並べてみると、どれも「言われなければ一生気づかなかったこと」ばかりです。担当の営業さんにもお子さんがいたので、子どもを育てる親の目線でも考えてくれたのが、とても頼りになりました。
注文住宅の打ち合わせに挑むにあたり
打ち合わせが始まる前に、複数の会社を比べておく
これは我が家の反省なのですが、実際に見積もりを出してもらったのは、1社だけでした。
というのも、打ち合わせが始まってしまうと、そこから他の会社を検討し直すのは現実的ではないんです。10回の打ち合わせを重ねて関係ができていくと、「やっぱり他も見てみます」とは言いにくくなります。
だから比べるなら、打ち合わせが始まる前。ここだけは、あとから巻き戻せません。
会社によって、標準で選べる範囲も、構造計算をしてくれるかどうかも、得意な間取りも違います。2〜3社の提案を並べてみるだけでも、判断の材料がまったく変わります。
何社くらい比べればいいのかは、こちらにまとめました👇

「こうしたい」の写真を集めておく
打ち合わせに持っていってよかったのが、ネットで見つけた「気になった設備の写真」です。
言葉で「こういう感じにしたい」と伝えるのは、すごく難しいんですよね。でも写真を見せて「これ、できますか?」と聞くと、話が一気に早くなります。我が家は畳コーナーの畳の種類などを写真で相談しました。
いま振り返ると、打ち合わせで大事なのは「質問リストを持っていくこと」より「やりたいことを見せること」だったと思います。こちらの希望が具体的に伝わると、向こうからも提案が返ってくるからです。
注文住宅の打ち合わせは何回? 我が家は全10回・半年弱でした
| 打ち合わせ回数 | 10回くらい |
| 期間 | 半年弱 |
| 時期 | 2020年(コロナが流行り出した頃) |
| 記録方法 | 自分はノートに手書き/工務店側も議事録を作成 |
回数や期間は、会社や決め方によって変わると思います。間取りが決まるまでに時間がかかると、その分だけ回数も増えていきます。
平日は仕事、休日は打ち合わせ、そのあいだに、打ち合わせで発生した宿題をこなす日々。なかなか忙しかったですね。
そしてちょうど2020年、コロナが流行り出した頃だったので、打ち合わせのたびに気を遣った記憶があります。
打ち合わせを重ねると、金額は動きます
正直に書くと、当初の見積もりから、金額はかなり増えました。
打ち合わせは「これに変更した場合のお見積もりを、次回提示しますね」の繰り返しでした。壁紙を変えたい、床材をこれにしたい——ひとつひとつは小さな変更でも、10回分積み重なると、それなりの金額になります。
ただ、そのつど金額は出してもらえていたので、「知らないうちに増えていた」ということはありませんでした。ここは工務店さんに感謝しています。
いま思うのは、我が家は予算の上限を決めていなかったということです。もし最初に「ここまで」と決めていたら、選び方も変わっていたかもしれません。
いいと思ったものを選んでいけば、金額は自然に上がっていきます。だからこそ「変更のたびに見積もりを出してもらえるか」は、最初に確認しておくと安心です。
そもそも何社から見積もりを取るべきかは、こちらにまとめました👇

打ち合わせの内容は、必ず記録しておこう
私はノートに手書きで記録していました。そして工務店さんのほうでも議事録をとってくれていたのが、あとからとても助かりました。
打ち合わせが10回もあると、「あれ、これって前回どう決めたんだっけ?」が必ず出てきます。言った・言わないにならないためにも、両方に記録が残っている状態はおすすめです。
もし議事録を作ってくれない会社なら、自分のノートを写真に撮って共有しておくだけでも違うと思います。
まとめ|「あとから変えられないこと」を先に確認しよう
5年住んでみて、打ち合わせで確認すべきことはこの一点に尽きると思っています。
| あとから変えられる | あとからは変えられない |
|---|---|
| クロス・壁紙・照明・カーテン | 建てる位置と高さ |
| 家具・収納用品 | 間取り(壁・窓・ドア・下地) |
| 外構の一部 | 構造・耐震性能 |
右側は、どれもあとからお金を出しても取り戻しにくいものです。打ち合わせの時間は限られているので、まず右側から確認していくのがいいと思います。
そして、いい担当者さんに出会えると聞く前に教えてくれます。我が家がそうでした。だからこそ「やりたいこと」を具体的に見せて、提案を引き出すことが、いちばんの準備なのだと思います。
よくある質問(FAQ)
Q. 注文住宅の打ち合わせは何回くらいありますか?
A. 我が家は10回くらいで、期間は半年弱でした。ただし会社や仕様の決め方によって差があります。間取りが決まるまでに時間がかかると、回数も増えていきます。
Q. 打ち合わせでは何を聞けばいいですか?
A. あとから変えられないことを優先してください。建てる位置と高さ、間取りと窓、構造・耐震、壁の中の下地です。クロスや照明はあとからでも変えられます。
Q. 打ち合わせの記録はどうすればいいですか?
A. 我が家は自分はノートに手書き、工務店側も議事録を作成という形でした。両方に記録が残っている状態だと、「前回どう決めたか」で迷いません。
Q. 打ち合わせに持っていくとよいものは?
A. ネットやSNSで見つけた「気になる設備・空間の写真」です。言葉で説明するより早く、「できる/できない」がその場でわかります。我が家は畳コーナーの畳を写真で相談しました。
Q. 耐震等級3は、家が完成してからでも取れますか?
A. 建物が基準を満たしていれば、あとから申請して取得できる場合があります。ただし工事の途中でしか確認できない項目もあるため、新築時に一緒に進めるのがいちばん確実で、手間も費用も少なくて済みます。詳しくは依頼先の会社に確認してください。
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